はじめに
我が国人工林の6割近くを占めるスギは、高い含水率や水分が抜けにくい性質のため、乾燥コストは他樹種よりも格段に割高であるが、その用途は比較的製品単価が低い建築構造用製材品が大半を占めている。さらに、建築基準法における性能規定化等により、木材製品にもこれまで以上に高い性能保障や製造者の瑕疵責任が求められるため、国産スギ材の販売環境はより一層の困難が予想されている。
最近、こうした状況を打破するために、付加価値の高い丸太材や円柱材の用途開発が望まれるようになった。従来の桁や床柱等の在来住宅用のみでなく、ログハウスや大型建築構造部材、さらにはエクステリアや公園遊具等への利用が広がりつつあるが、その根本となる乾燥技術が今まで 不十分であった。今回、これらを解決する目的で開発された装置は、用途に応じた品質の保持と無駄のない乾燥が出来る。そのため相反する性能品質と乾燥コストのバランスが取れ 、丸太高速乾燥法の広範囲での普及、さらには低迷するスギ需要開拓に結びつくものと期待されている。
特 徴
- 加熱・乾燥および除冷調節まで全てのサイクルを自動運転可能です。
- 最新のマイクロ波加熱のため、設備がコンパクトで、短時間で内部まで効率よく加熱でき、サイクルタイムが短縮できます。
- 環境に優しく、クリーンな作業環境の構築が可能です。
- これからの環境適応、品質向上、労働条件対応等を考えると、どれを取っても最終的には、低コスト対応が可能です。
運転概要
[1] 1サイクルの内容
- 寸法・重量を自動測定し、丸太全体の目標温度までの昇温熱量を自動計算し、マイクロ波照射条件を決定します。
- マイクロ波照射ブースにおいて、(1)項で計算された時間に基づき、マイクロ波照射を行います。
- 乾燥チャンバーにおいて時間及び乾燥条件を決定し、養生させます。
[2] 総合運転
- [1]項の1サイクルを基本とし、目標重量に成るまでサイクルを自動的に繰返します。
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